しめなわ祭: 航海の安全と豊漁を願う関門海峡の冬の風物詩

下関市壇之浦町にある烏帽子岩は、海難防止の守り神として地元の漁師たちから敬われています。

大石が倒れた後に起こった災難

昔、この大石が激しい潮の流れによって海中に倒れたことがありました。

大石が倒れて十日あまり経った頃から、壇ノ浦の町内に大雨、台風、火災、疫病と悪いことが続くようになりました。

町の人々は不安になり、毎日集まって相談しましたが、解決策が見つかりませんでした。

老漁夫の夢のお告げ

ある日、老漁夫は夢枕に狐が現れ、「大石を早く起こさねば災難は更に続くであろう」と告げられました。

大石起こしとしめなわ祭の始まり

老漁夫は町の人々に夢のお告げを伝え、皆で協力して大石を起こすことにしました。

町内の者が総がかりで作業を行い、ようやく大石を起こすことに成功しました。

人々は喜び合い、大石に注連縄を飾ったり、お酒を供えたりして、お祭りをしました。

災難の終焉と豊漁

大石を起こした後は、災害がなくなり、嵐もおさまって、魚がたくさんとれるようになりました。

しめなわ祭の現在

しめなわ祭は、この故事に由来する航海の安全と豊漁を願う祭りです。

毎年12月上旬に、壇之浦地区の海中に立つ烏帽子岩で行われています。

地元の赤間神宮の神職が岩に登って、しめ縄(長さ5メートル、重さ20キロ)を張り、お神酒などをまく神事です。

関門海峡の冬の風物詩として有名で、多くの人々が訪れます。

アクセス情報

  • 所在地:下関市壇之浦町6番?
  • 交通:
    • JR下関駅からバス12分「みもすそ川」下車、徒歩3分
  • 問い合わせ:赤間神宮 083-231-4138