岩谷十三仏の由来解説板には次のように記されています。
(伝承による)
後奈良天皇の天文二十年八月、陶隆房(のちの晴賢)に居城山口を追われた大内家三十一代義隆公主従が、隠れ家として岩谷が浴八丈岩に隠棲されていましたが追手が迫り、脱出に当り世話をしてくれたお礼にと巻物一巻(大内家秘法ばんばら楽)を残されました。
弘治元年ごろ大旱魃のとき熊野神社にばんばら楽を奉納したところ、忽ち大雨となり旱魃を免れ、部落民は義隆公の供養として十三仏を作ったといわれています。
十三仏とは亡くなった方の、初七日から三十三回忌まで十三回の追善供養を司さどる慈悲あふれる仏菩薩で、極楽浄土へ往生することを願います。
平成九年三月 岩谷十三仏保存会
十三仏の名称
初 七日 不動明王 百箇日 観世音菩薩
二 七日 釈迦如来 一周忌 勢至菩薩
三 七日 文殊菩薩 三回忌 阿弥陀如来
四 七日 普賢菩薩
五 七日 地蔵菩薩 七回忌 阿しゅく如来
六 七日 弥勒菩薩 十三回忌 大日如来
七 七日 薬師如来 三十三回忌 虚空蔵菩薩
高い所に見張仏として文殊菩薩と普賢菩薩がおられます。
三回忌(三年目)死亡した時を一回目として三回目と数えるため、実際は死亡した年から数えると二年目です。以下七回忌、十三回忌、三十三回忌とも同様です。
人が亡くなった日を忌日といい、毎月巡ってくるその日を月忌といいます。 そして毎年一回巡ってくる亡くなった月の忌日が祥月命日です。
インドの輪廻思想からインドでは亡くなった人への供養として、亡くなった日から七日目ごとに七回の法要が行われ、(7×7)四十九日が過ぎると死者は他の生を受けると考えられました。
仏教が中国に渡り、当地の道教と習合していく過程で、晩唐の時期に十王信仰は成立し、三回供養日が増えました。
日本では鎌倉時代には十王をそれぞれ十仏と相対させるようになり、時代が下るにつれてその数も増え、江戸時代には十三仏信仰なるものが生まれるに至りました。
仏事の法要は大抵七日ごとに七回あるのは、死者への減罪の嘆願を行うためであり、追加の追善法要は救い損ないを無くすための受け皿として機能していたようです。
十三仏に名を連ねる仏のうち八尊が「干支」の守護仏として名を連ねています。
子 千手観音菩薩・丑 虚空蔵菩薩・寅 虚空蔵菩薩・卯 文殊菩薩
辰 普賢菩薩 ・巳 普賢菩薩 ・午 勢至菩薩 ・未 大日如来
申 大日如来 ・酉 不動明王 ・戌 阿弥陀如来・亥 阿弥陀如来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
所在地 豊浦町川棚中小野
交通 JR山陰本線 川棚温泉駅からバス13分「岩谷口」下車、徒歩20分
JR山陰本線 川棚温泉駅から車で10分
小月 I.Cから車で29分
問い合わせ 豊浦町観光協会 083-774-1211