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しものせきドラマシアター 海峡千年・時代物語 耳なし芳一

源平船合戦で敗れた平家の怨霊に取り憑かれ、命と引き換えに耳を失ってしまった耳なし芳一のミュージカル。

祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらわす

おごれる者も久しからず

ただ春の世の夢のごとし

たけき者も遂には滅びぬ

偏に風の前の塵に同じ・・・・・・


寿永四年、西暦1185年3月24日、源義経との壇ノ浦の合戦で壊滅的な敗北を喫した
平家は、総大将平知盛をはじめとする多くの武将や女官達が幼帝、安徳帝や
二位の尼と共に揃って関門の海峡にその身を投じた。

京の都で栄耀栄華を極めた平家一門が、歴史の表舞台からその姿を消したときである。

この時、安徳帝は御歳わずか8歳だったが、幼き心に不信を抱かれ、
「尼ぜ、わたしをどこへ連れて行こうとするのか」と問いかける。



阿弥陀寺に住む琵琶の名手、芳一は夜な夜な平家の怨霊に誘われ、
平家一門の墓前で滅び行く有様を遺愛を込めて語った。

この時、辺りには鬼火が揺れ、身の毛もよだつ光景であった。

怨霊に取り憑かれた芳一の身を案じた寺の住職は、芳一の全身に経文を書き綴った。

平家の怨霊は経文によって芳一の姿を見失ったが、住職が書き忘れた両耳だけが
闇に浮かび、怨霊たちはその両耳に向けて鋭い刃尾を振り下ろした。

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小泉八雲の怪談に登場する芳一伝説はこの地に住む人々がその怨念に恐れつつも心の奥深くに平家への強い哀れみと追悼の情を抱いて語りついできたものの一つである。

八百有余年の時を経て今も海峡の街下関では、波間に消えた平家を偲び静かに哀悼の時を重ねている。