下関、門司地域のインターネット放送局 関門テレビ
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海峡上臈絵巻

寿永4年(西暦1185年)、壇ノ浦の合戦により一命を永らえた平家の女官達は、執拗に追捕する源氏軍から逃れるため、遊女に身を落としつつも平家最後の幼帝、安徳帝の命日には身を潔斎してその菩提を弔った。


山鳩色の御衣にびんづら結はせ給ひて、

御涙におぼれ、小さきうつくしき御手を合はせ、

まづ東に向かはせ給ひて、伊勢大神宮に御暇申させ給ひ、

その後西に向かはせ給ひて、御念仏ありしかば、

二位殿やがて抱き奉て、「波の下にも都の候ふぞ」と慰め奉りて、

千尋の底へぞと沈み給ふ。

嗚呼無常の春の風、忽ちに花の御姿をうちらしなさりなきかな、

分段のあらき浪、玉体を沈め奉る。



八百有余年の時が流れ、往来する人の秘めた想いは大きく変わったが、平家縁の地下関では今も海峡の浪と消えた平家を偲び、静かに追悼の時を重ねている。

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