恩徳寺の結びイブキ

下関市豊北町大字神田にある恩徳寺は、室町時代、大内氏の朝鮮交易の中心地だった肥中港を見下ろす高台に位置する歴史ある寺院です。

この寺を訪れる人々を魅了するのが、境内にそびえ立つ国指定天然記念物「結びイブキ」です。

新名木百選にも選ばれた巨木

高さ6m、目の高さの幹周り3.4mの巨木は、地上2mのところで多くの枝に分かれ、地上約2.5mで、複雑に多数の枝が互いに絡み合い、一部はくっついて塊状になっています。

まるで自然が織りなした芸術作品のような、他に類を見ない樹形は、見る者を圧倒します。

神秘的な樹形に込められた願い

結びイブキの樹形は、自然の力によって偶然形成されたものと考えられています。

しかし、古くから人々は、この不思議な樹形に様々な願いを込めてきました。

  • 縁結び: 複雑に絡み合った枝は、良縁を結ぶ象徴とされています。
  • 子孫繁栄: 塊状になった枝は、子孫繁栄を願う人々の希望を映し出しています。
  • 長寿: 力強く天に向かって伸びる姿は、長寿を願う人々の心の拠り所となっています。

結びイブキの伝説

結びイブキには、以下のような伝説も伝わっています。

  • 昔、この地に二人の男女がいました。二人は結ばれたいと願いましたが、身分の違いによって許されませんでした。悲嘆に暮れた二人は、この木の枝を結び、永遠の愛を誓いました。その後、二人は奇跡的に結ばれることができたと言われています。
  • ある日、村に疫病が流行しました。人々は困り果て、この木に祈願しました。すると、不思議なことに疫病は収束し、村に平和が戻りました。人々は感謝の気持ちを込めて、この木を「結びイブキ」と呼ぶようになりました。

恩徳寺を訪れる

結びイブキは、恩徳寺の境内に入ってすぐのところにあります。

拝観時間は自由で、入場料は無料です。

結びイブキの他にも、恩徳寺には歴史ある堂宇や美しい庭園など見どころがあります。

アクセス情報

  • 所在地:下関市豊北町大字神田
  • 交通:
    • JR山陰本線 特牛駅からバス10分「肥中」下車、徒歩3分
    • 下関ICから車で37分
  • 問い合わせ:恩徳寺 083-786-0365

まとめ

恩徳寺の結びイブキは、自然の神秘と人々の願いが込められた、奇跡の樹形を持つ巨木です。

歴史と文化、そして自然の美しさを感じることができる恩徳寺を訪れて、結びイブキの神秘的な姿をぜひご自身の目でご覧ください。