夫婦岩と注連縄の伝説と由来

夫婦岩(男岩と女岩)は、下関市豊北町二見浦に位置しています。国道191号を挟んで、山側に夫婦岩・注連縄張りの由来の碑が建立されており、隔てた海の中に夫婦岩がそびえています。

伝説によれば、二見浦の背後、馬路山に棲む龍が台風で大時化となる日、夫婦岩の間を通り、本郷沖、壁島の龍権社(りゅうごんしゃ)に御詣りされるとされています。この龍伝説のある夫婦岩の注連縄張りの起りは、約百五十年前の嘉永年間(1848〜1854)にさかのぼります。

当時、二見浦は沿岸漁業が盛んであり、地元の漁民が豊漁と海での安全を祈願するために両親健在の若者らを選び、一月十一日の手斧(ちょうな)始めの日に、この夫婦岩に注連縄を渡す神事を始めたとされています。それ以来、当地区の年中行事の一つとして定着し、北浦一帯に広く知られています。

現代では新春早々の一月二日の夜明けを待って綱打を開始し、褌姿の男衆が若潮で禊をした後、夫婦岩によじ登り、注連縄を張り替えます。岩下では残りの男衆が注連縄を竹ノ棒の間(かん)の又(また)で支え、その張り具合を調整します。注連縄張りの作業を無事終えると、男衆は御神酒で祝杯をあげ、今年一年の豊漁と息災を祈願します。

夫婦岩と注連縄の概要

  • 夫婦岩
    • 男岩:5間(約9メートル)
    • 女岩:3.5間(約6メートル)
  • 注連縄
    • 長さ:打上げ十五間(約27メートル)
    • 房の数:平年十二下り・閏年十三下り
    • 重量:約五十三貫(約200キロ、ワイヤー入り)

この美しい景勝地は、下関市豊北町二見にあり、JR山陰本線の長門二見駅から徒歩15分でアクセスできます。詳細な問い合わせは、豊北総合支所地域振興課(083-782-1914)までお願いします。